不妊去勢手術の時期について
猫の不妊去勢手術は何か月齢になったらできますか?
当院でよく聞かれる質問です。
では手術はいつまでに受けたらいいでしょうか。
猫は早ければ生後4か月で性成熟を迎え発情します。
当院でも乳歯がまだ生え変わりきっていないのに、妊娠している子猫をみてきました。
また生後半年なのにすでに子宮蓄膿症を発症している猫が続いたこともありました。
性成熟前に不妊手術をすれば乳腺腫瘍の発症を91%予防することができると10年以上前からすでに論文でも発表されています。
手術を受けるのにベストな時期はいつなのか。
「飼い猫野良猫にかかわらず全ての猫の不妊去勢手術は生後5か月齢までにすませましょう」
アメリカでは専門医がいろいろな利点やリスクを調べ尽くした上で現在ではこの見解に至り、
米国獣医師会に承認され、州の獣医師会にも広がりをみせています。
実際に日々手術をしていると生後3〜5か月齢の猫の手術が脂肪も少なく、発情前なので出血量も少なく小さな傷ですみ、
麻酔からの覚めも早く、一番安心して手術ができて、手技もより簡単なように思います。
飼い猫の場合はワクチン接種プログラム後に続いて不妊去勢手術の予約をしましょう。
保護猫の場合は行った先で手術するという約束が、忘れられたり、気が変わったり、逃げたりして、
これ以上不幸な命が増えることのないよう、譲渡前不妊去勢手術をしましょう。
※画像は手術後麻酔から覚めて、1時間後の子猫たちの元気な様子です
※早期不妊去勢手術の利点やリスクについての科学的根拠は、また別の機会にまとめようと思います…